うちの会計事務所は、ほとんど電話が鳴りません。お客さんは会計士の耳が聞こえないことを知っているので、普段はメール中心のやり取りだからです。
それでも、お客さんから事務所に電話がかかってくることはあります。また、事情を知らない新規の方や税務署からは会計士宛に電話が鳴ります。電話の対応をするのも通訳の仕事です。
初めて連絡が来た際は、まず要件を聞いて、その後会計士に確認することが多いです。ただ会計士と直接話をした方が良い時は、僕がお客さんの言葉を手話通訳する時もあります。
電話の手話通訳は見る機会が少ないですね。電話の手話通訳と言えば「電話リレーサービス」が浮かぶ方も多いかもしれません。一般的な手話の電話リレーサービスの場合、「聞こえる人の音声」と「聞こえない人の手話」をビデオ通話で仲介役が変換して繋ぎます。
うちの電話リレーはちょっと違います。まず受話器をスピーカーモードにして会計士と僕の間に置きます。そして聞こえてくる相手の声を手話通訳します。会計士はその手話を読み取り、受話器に対して直接音声で返答していきます。
電話相手からすると、普通に音声でのやり取りができてしまいます。一応最初に「耳が聞こえないので通訳を介して話します」と説明はしていますが、こちらで何が起こっているのかは想像もつかないでしょうね。
こうした「電話リレー」の形は珍しいかもしれません。
公共の電話リレーサービスも広まりつつありますが、専門的な税務や申告書に関するやり取りは、事情を知っている人が繋ぐ方がスムーズです。2人での仕事を始めたばかりなので、まだまだ通訳の方法を試行錯誤中です。より良い方法を考えていきたいですね。
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