ノートテイクをして面談をしたお客さんの話。
僕は初対面だけど、以前からのお客さんなので、自己紹介をしてからはいつも通りの面談。パソコンを持って会計士の横に座り、お客さんの言葉を聞いてパソコンに文字を打ち込み続けた。
会計士は普段、パソコンの文字をずっと見つめることなく、お客さんの顔を見て話を進める。文脈や口の動きで言ったことを推測しているのだと思う。
ただ、今回の面談は聞き(読み取り)間違いが多かった気がした。僕の打ち込んだの文字を一つ一つ確認しながら会話をしていた。
そこで、面談が終わった後に聞いてみた。
「今日の人は(口の形を)読み取りにくいですか?」
「うーん、というかそもそも口を読み取れない人とは契約してないからなあ」
口の動きの読み取りやすさだけで、契約できるか決まるなんておかしい。と思う一方で、契約後のことを考えると言葉がつまる。
税理士事務所に相談に行って、もし税理士の耳が聞こえなかったどう思うだろう。いつも通りに喋ってもなかなか伝わらず、時間を手間もかかるとしたら。
お客さんとして仕事を頼むなら、性格や仕事能力を確認する前に、そもそも普通に喋った日本語が通じるかどうかで判断するかもしれない。
また会計士としても、なかなか言っていることが分からないお客さんと一緒に仕事をするのは大変だろう。契約をしたらメールのやり取りだけでなく、時には直接話す必要も出てくる。だから、会計士は相性や仕事内容を見て契約を考える以前に、口の動きが読み取りやすいかどうかも考えないといけない。
もしほとんど通じ合えないなら、わざわざお互い苦労してまで契約する理由が見出しにくい。一緒に仕事をする可能性が、そんなことで潰されてしまうなんてものすごく理不尽だ。
そんな理不尽な現実を会計士の言葉から想像した。
コメント